私の考える合気道の極意 その42
空気を変える
相手と対しているときに、組み合う前にお互いを結ぶ空間があります。この空間を
変える、あるいはこの空間に、別の動きを取り入れることで、場が変わるという感覚を
感じることがあります。
これは、師範の動きを見ていてよく感じることです。また、さらに、お互いを結ぶ空間を広げたり、
あるいはぐっと縮めたり、というように見える場合もあります。こうしたことは、自分が受けを
とっているときにも自分の体でも感じます。
これは、『大空のサムライ』と呼ばれた太平洋戦争の撃墜王と呼ばれた坂井三郎氏が、
本の中で述べていたことと通じることだと思いました。
それは、戦闘機で宙返りして元に戻ってきたときに、自分の機が動いたことによる
風圧を感じたことがあるし、敵の戦闘機が翼を動かすことで、自分の機が風圧を感じる、
と述べていたことです。
あの広い大空の中で、風圧を感じるわけですから、地上で相手と対するときに、相手に
触れる前に、動きが生じることによる風圧といったものが生じてもおかしくはありません。
空気を変える、空気を動かす、といったことも合気道の極意の一つではと思われます。
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